並行輸入自動車届出書等の”事前書類審査”を提出後一週間すると、電話にて審査結果が通知されます。不足部分がある場合は追加で書類などの提出を要求され、再度提出後すべての書類が揃った後に初めて検査の受検資格が与えられます。
予備検査の準備
では。書類審査が通過したので予備検査を受ける準備をします。
クーダの場合、最初窓口にて「型式不明」と言われたのですが、書類審査通過通知時に
『B34』(並行輸入車なので実際は「-B34-」と前後に「-」が付きます。)という型式になると連絡されました。
この型式が判明したことにより、保安基準に適合させるための改善点も判明し通知されました。
要改善項目は全部で10項目あり
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①ヘッドライトを左側通行用へ交換
②右側ミラーの取り付け
③バックランプ点灯時、周囲の赤いレンズ部分が光らないようにする
④反射板の取り付け
⑤速度表示をKm/hに
⑥ウインカー兼用車幅灯の間隔を車幅の50%以上確保
⑦ナンバーステーの取り付け
⑧後部座席の奥行足らずにより、シートベルトを付けないと座席として認められない。
⑨後部サイドマーカーが赤色な為光らぬようにする
⑩非常用信号灯の積載
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以上10点の改善を求められました。
書類審査の事前準備していた『改善内容一覧表』のなかで、これだけもの改善箇所があることが判明したわけです。
それでは、準備していきます。
ヘッドライトを左側通行用へ交換
KOITOヘッドライトへ交換しました。
光軸及び光量の測定は年式が古いので、ロービームではなくハイビームによる測定になるので、一見光軸がアメリカの右通行のままでもいいのではと思いますが、『すれ違い前照灯配光特性』という項目が、左側通行用の光軸を指す為改善しなくてはなりません。
いくつか合うヘッドライトはありますが、一番手頃でホームセンタにも売っている
こちらを使用しました。 バルブもセットになっています。
※71年型バラクーダ等の4灯タイプの場合。
中央2灯はハイビーム専用の
両端2灯はハイ/ロー兼用の
koito 小糸 HCR-219 ハイ/ロー兼用ヘッドライト
を使用することになります。
右側ミラーの取り付け
右側(助手席側)のミラーの取り付けです。
アメリカは右側ミラーの取り付け義務が無い為多くの車が左側のみしかミラーが付いていません。
クーダはオプションで右側ミラーがあったようですが、それが付いている個体は激レアとなります。
そんなわけで、家にあったシボレーのボウタイ刻印の入ったミラーを取り付けました。
しっかりネジで止めるタイプにしました。ボルトで挟むタイプでもいいかもしれません。 マグネットタイプは不合格になります。
バックランプ点灯時、周囲の赤いレンズ部分が光らないようにする
クーダのテールランプですが、外側のランプはブレーキランプ。内側がバックランプになっています。
問題はこのバックランプですが、レンズ中央は透明で白く光るのは問題ないですが、レンズの周囲が赤くなっています。この白い部分と赤い部分が遮られていない為、バックランプ点灯時に赤く光ってしまうのです。
これが車検非対応になります。
車検適合方法としては、
①レンズ内部で白い部分と赤い部分を遮る加工を行う。
②赤い部分を埋めてしまう。
このどちらかになります。
対策②の赤い部分を埋めることで、車検適合へとしました。
レンズ周囲をマットブラックのスプレーで何度も塗装しました。 バランスが悪い為、ブレーキランプ側も塗装。
反射板の取り付け
上記バックランプのレンズの周囲の赤い部分は反射板になっています。
後方の反射板の搭載は保安基準で明記されている為何か代わりの反射板を搭載しなければいけません。
①のレンズ内部で遮蔽する方法を取ることでも解決できますが、黒く塗りつぶしたため、別の反射板を取り付けます。
反射板は片側10㎠以上の面積が必要になるので、直径3.6㎝以上がの反射板を貼り付けることで保安基準に適合するようにしました。(マグネットはNG)
速度表示にKm/h表示を追加
クーダはアメリカ車なのでMPH(マイルパーアワー)とマイル表示になります。
Km/h表示への変更方法は、修正ペンや油性ペンなどで書き加えます。
これでも通ります。 必ず必要と思われるのは 40km/h部分の表示です。
理由は、機械測定にて時速40km/hでの実際の車速とメーターの誤差を測定する項目がある為です。
ちなみに、ざっくり20=30、30=50、50=80、60=100、100=160、120=200(マイル=キロ)だと認識しています。
ウインカー兼用車幅灯の間隔を車幅の50%以上確保
72年式以降のクーダは、ウインカーの位置がかなり車体中央に寄っています。
こちらはトラックなどでよく見るレンズを使用しました。
バンパー下のレンズがオリジナルのウインカー位置です。
光っているのが車検対応ウインカーです。
ちなみに、オリジナルウインカーはウインカーとハザード、そして車幅灯の役割を担っている為、フィラメントが2本。バルブの底の端子が2端子タイプです。
しかし、導入したトラックレンズにはバルブ底の端子およびフィラメントが一本しかなくウインカーとハザードとしてのみ点灯します。
これにより、ウインカーライトが担っていた車幅灯が無くなりますが、この年式であればヘッドライトが車幅灯の役割も担うため車検対応となります。
また、オリジナルのレンズからバルブは取っておきましょう。バルブを入れたままだと灯火類不灯となり失格になります。外していれば問題なしです。
ナンバーステーの取り付け
こちらはリアのナンバーの取り付け面に関してです。
日本のナンバーはアメリカのナンバーとサイズが違うため、変換アダプターが必要になります。
また、そのアダプターが車体から取れないようにリベットなどで固定しなければいけません。
リアナンバーは封印をする為、ステーごと取り外しができては意味がないですからね。
このようなアダプターで変換してもいいですし、直接オリジナルステーに穴を開けてもいいと思います。
後部座席の奥行足らずにより、シートベルトを付けないと座席として認められない。
極めて変な話だと思いますが、後部座席の座面幅が150㎝程あります。一人当たり45㎝として計算され、3人が座れる幅があるともなされるのですが、
座面の奥行が35㎝程しかなく、座面として認められる奥行を確保できていないそうです。
しかし、幅がある為3人座れるためシートベルトの装着もしくは、座面の撤去をし後部座席に乗員を認めない処置が必要になります。
また、クーダは後部座席に2人分のシートベルトは装着されています。
したがって、既についているシートベルトのマウントボルトを利用しさらに一人分のシートベルトを追加します。
後部サイドマーカーが赤色な為光らぬようにする
リアについているサイドマーカが赤色の為、車検非対応となります。 アンバーであれば問題ないです。
光らなければいいだけなので、バルブをレンズから外しておきます。
反時計回りに少し回すだけで外れます。
非常用信号灯の積載
準備物最後になります。 発煙筒ですね。
今後使う機会も多いと考え電池式にしました。
追加:ホーンの明示
上記10項目でオリジナルのクーダに対しての車検対応は終了しましたが、ステアリングにホーンの明示が無かったので、記入しておきました。
ホーンであることが分かればいいので、油性ペンにて書き込みしました。
よく見るのは正露丸のラッパのマークですね。
これで、車検を受ける準備が整いました
。
車検を受ける前に
車検はあくまで車両の検査です。車検を受けて合格しただけでは、まだナンバーが交付されません。
ここまで書いてきた内容は車検を受けるための準備であり、ナンバーの交付には『車庫証明』の取得が必要になります。
次の記事は車検の受検へ進みますが、車検を受験し合格と同時にナンバー取得を目指す。または(さらに)、希望ナンバーの取得をしたいのであれば、先に『車庫証明と希望ナンバー編』へと進み、その後『予備検査編』へお戻りください。
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