準備が整ったので、車検場へ行きたいと思いますが、その前に車検場の近くのテスター屋へ向かいます。
テスター屋での事前調整から本検査の受検と登録までの流れを書いていきます。
テスター屋
車検では、目視確認項目と機械計測項目があります。
目視確認項目についての準備は整っていますが、機械計測の準備を行います。
以下が機械計測5種の項目になります。
a.サイドスリップ
b.ブレーキ制動力
c.ヘッドライト光軸
d.排ガス
e.速度計
この5種について、テスター屋にて調整してもらいます。
サイドスリップ
車が100m進む間に左右のタイヤの振れ幅が5m以下であることを確認します。
1m進んで5㎜です。 ずれがあった場合はその場で調整してくれます。
ブレーキ制動力
前輪及び後輪のフットブレーキの制動力の測定と、
それぞれの左右誤差も測定します。
また、後輪のパーキングブレーキの制動力についても測定します。
ブレーキが利いていても、左右で差がある場合は不合格になります。
ドラムブレーキの場合その場で調整できると思いますが、ディスクブレーキの場合調整できるのでしょうか?
ヘッドライト光軸
ヘッドライトの光軸の調整です。
左側通行用のヘッドライトに交換したのはいいですが、向きがあっていない為、ここで調整してもらいます。
クーダの場合は年式が古いのでロービームではなく、ハイビームによる測定となります。
排ガス
キャブ車などの旧車はここが一番大変でしょう。
キャブのセッティングを合わせて、基準値以下に設定します。
古い車の場合の合格基準は
CO 4.5%以下
HC 1200ppm以下
になります。
多くの場合、アイドリングを少し高めに設定しアイドルミクスチャーを絞り気味にして燃調が薄い状態にします。
エンジンの調子としては、調子がいいセッティングよりも燃調を薄くするので調子は悪くなります。
また、実際の車検での測定前には3000回転くらいで5秒ほど吹かした後、即測定すると良いです。
長い間アイドリングした状態のまま測定するとたいてい失格になります。
キャブ車の場合は調整が簡単ですが、インジェクションで基準値に収まらない場合は、大変なことになりますね。
速度計
テスターに乗ったまま、加速していきます。
時速40キロに到達したときに、テスターがコールしてくれます。その時のスピードメーターの値を覚えておきます。
実際の車検の時には、自分でアクセルを踏んで40キロまで加速。パッシングでコールして速度計の誤差測定を行うため、時速40キロの時のメーター読みを覚えておくのです。
車検本番
テスター屋にて5種目の調整が終了。
車検本番へ望みたいと思います。
継続車検は日本全国どこの車検場でも車検を受けることができますが、
新規登録に関しては、自分の住んでいる地域、事前書類審査を提出した車検場でのみ車検を受験することができます。
まずは窓口へ行き、
イ.『OCR第1号様式』
ロ.『自動車検査表1』
ハ.『手数料納付書』
このような用紙を貰います。3種全て住所氏名など記入して、
手数料納付窓口へ行き、検査手数料分の印紙のみを購入します。
その印紙を手数料納付書に貼り付けします。
※2回目以降の継続車検の場合は重量税の印紙も購入しますが、新規車検の場合は最後に重量を測定します。その時に重量が決定し、それに見合った重量税を納付することになります。
※ORC第一号様式の中央下あたりに走行距離表示値という項目があります。 こちら100KM未満は切り捨てで記入するのですが、kmの右に四角枠があり、その右下に小さく2mileと書いてあると思います。この四角枠に2と書き込むことで、車検証の走行距離の印刷がマイルで記入されます。 知らなかったり、忘れると実際のメーターはマイルなのに車検証上ではkmと印刷されます。
目視点検
書類の記入も終わったので、車に乗り込み車検の列に並びます。
まずは、目視点検からです。
クーダは1972年製造なのでS47.12.31の保安基準適応となります。
新規車検なのでものすごく長い目視検査が行われます。
まずは一般的な継続車検でも見られる項目から。
・『ライト点灯検査』
・『ウインカーの点灯速度』 (毎分60~120回、~S48.11.30は増減も可。通常は点滅。)
・『バックランプとウインカーが共用』 (S44.10.1~S48.11.30は赤色で可)
・『ウォッシャー』 (S47.1.1~S50.3.31は運転席前だけで可)
・『シートベルト』 (S44.4.1~S50.3.31は運転席だけ2点式があれば可)
・『サイドミラー』 (~S48.12.31は不可倒でも車体からはみ出してなければ可)
・『警音器(ホーン)』
続いて、事前に改善が判明してる10項目も見ていきます。
①ヘッドライトを左側通行用へ交換
②右側ミラーの取り付け
③バックランプ点灯時、周囲の赤いレンズ部分が光らないようにする
④反射板の取り付け
⑤速度表示をKm/hに
⑥ウインカー兼用車幅灯の間隔を車幅の50%以上確保
⑦ナンバーステーの取り付け
⑧後部座席の奥行足らずにより、シートベルトを付けないと座席として認められない。
⑨後部サイドマーカーが赤色な為光らぬようにする
⑩非常用信号灯の積載
非常に長い目視検査の後、機械計測へ進んでいきます。
機械計測
a.サイドスリップ
b.ブレーキ制動力
c.ヘッドライト光軸
d.排ガス
e.速度計
直前でテスター屋で合わせているので通過すると思います。
実際には数多くの指摘事項がありました。
車両の測定
機械計測が終了すると、新規車検(改造変更時も)ならではの車両測定へと進みます。
車両重量を測定。
車幅や車長、車高などもメジャーで測っていきます。
すべてが完了すると、職権打刻へ向かいます。
職権打刻
最後に職権打刻へ進みます。
打刻と言っても、これから車体番号になる数字が書いたシールを貼るだけです。
これで、無事終了です!
と言いたいところですが、違和感に気づくでしょうか?
自動車予備検査証
この時点で発行されるのは『自動車予備検査証』
そうです。まだ。予備なのです。
理由は車庫証明がまだ無いためです。
しかし、もう車検自体は通過しました。あと少しでナンバーを取得できます!
車庫証明の取得タイミング
※クーダはこの予備検査後、車庫証明の取得を行いましたが、VINナンバーで車庫証明が発行可能であれば、この車検を受ける前に、車庫証明の発行を済ませることも可能になります。
その場合、車検通過の時点でナンバーも交付されます。
車庫証明の発行は次の『車庫証明と希望ナンバー編』へ進み、再度このページへお戻りください。
登録
無事に車検が通過し、車庫証明の準備ができたら、いざ登録となります。
今までのすべての書類と車庫証明を持って、窓口へ行きます。
自動車重量税納付書
窓口で『自動車重量税納付書』を受け取り、検査手数料の印紙を購入した窓口へ行き、重量税の印紙を購入し貼り付けします。(3年分)
自動車税
更に、自動車税の納付も行わなければいけません。
こちらも、車検場内に自動車税の納付窓口があるので、そちらで納付します。(月割り分)
ここまで終了したら、再度受付窓口ですべての書類を提出します。
1『自動車損害賠償責任保険証明書』
2.『自動車重量税納付書』
3.『自動車税』(月割) (輸入時の車両申請価格が高額の場合同時に自動車取得税も支払う可能性あり)
4.『車庫証明』(運輸支局提出用)
5.『ナンバー代金』
6.『自動車予備検査証』
7.『自動車リサイクル券』
8.『印鑑証明』(必要により)
9.『自動車通関証明書』
10.『譲渡証明書』(必要により)
たくさん書類が増えましたね。
そして、ナンバーの交付を受けられます。
ナンバー交付
ナンバー交付窓口へ行き、ナンバーを受け取ります。
この時、希望ナンバーを申請しているのであれば、希望ナンバーの窓口へ行きナンバーを受け取りましょう。
受け取ったナンバーは自分でボルトで止めます。
最後に係員にリアナンバーの左ボルトに封印をしてもらい、
そして、ついに自動車検査証を受け取ります。
非常に長くなりましたが、並行輸入車のナンバー取得までの道のりになります。
並行輸入車の初回車検は新規登録になり、3年車検です。任意保険も新車割引が適用される場合があります。
実際には数多くのトラブルに直面しましたが、素人でも根気があればできなくはありません。
トライしてみようと考えている方はぜひ頑張ってみてください!
【関連記事】並行輸入車はどうやってナンバー取得するんだ!?
①並行輸入自動車届出書編
②予備検査準備編
③予備検査と登録編 『当記事』
④車庫証明と希望ナンバー編
番外仮ナンバー取得編
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