ノバのインテークマニホールド交換のときに、いろいろ調べたので筆者なりにまとめてみます。
キャブレターの選定


今持っているキャブレターです。
左から、 『エーデルブロック1406』,『ホーリー4010』,『ホーリー4150』,『ホーリー4160』
になります。
4台共に650CFM近辺です。
CFM
まず、キャブレターの容量を決めていきます。
キャブレターのサイズはCMF(Cubic Feet per Minute)という単位を使います。一分間に流れる風量になります。立法フィート/分ということですね。
こちらの容量の決め方は右記計算式を元にして近似値を求めます。
筆者のノバとクーダでそれぞれ計算してみましょう。
ノバ
350×5500÷3456=557.0
クーダ
340×6000÷3456=590.3
以上のように計算してキャブレターの容量(CFM)を決定します。
ノバには600CFM,クーダには600CFMがマッチすると考えてよさそうです。

筆者は上記計算式の最高回転数を+500して計算。
ノバ(改)
350×(5500+500)÷3456=607.6
クーダ(改)
340×(6000+500)÷3456=639.5
ノバには600CFM,クーダには650CFMを載せています。
バタフライバルブタイプ
次にセカンダリーのタイプを決めていきます。



キャブレターの写真です。左が『ホーリー4160』右が『ホーリー4150』です。
共に、右側が車体前方になります。
プライマリーバタフライバルブ
赤枠で囲った丸い蓋がプライマリーバタフライバルブです。
ホーリー4160、4150共に、プライマリーはアクセル開度に連動して開閉します。
さらに、急なアクセルオンに応じて赤矢印の加速ポンプが動き、燃料を追加噴射します。
バキュームセカンダリーバタフライバルブ
青枠で囲った蓋がセカンダリーバタフライバルブです。
このセカンダリーバルブの開き方が、ホーリー4160と4150で異なります。
ホーリー4160では、アクセル開度が大きくなりプライマリーの吸気速度が上がるとそのバキューム(負圧)でキャブレター横に取り付いたバキュームダイアフラム(下側写真の青枠)が作動し、セカンダリーバルブを開閉します。
そのため、このタイプのキャブレターをバキュームセカンダリータイプと呼びます。
この、バキューム式にはセカンダリーバタフライに対しての加速ポンプはありません。
(空気圧を利用して動作するので急にセカンダリーバタフライが開くことが無いので加速ポンプの必要が無いと思われます。)
メカニカルセカンダリーバタフライバルブ
つづいて、ホーリー4150です。
こちらは、セカンダリーバルブがアクセルの開度に連動して機械的に動作します。
そのため、このタイプのキャブレターをメカニカルセカンダリータイプと呼びます。
ある一定度のアクセル開度を超えるとリンク機構でセカンダリーバルブが開き始めます。
その為セカンダリーバルブにも加速ポンプ(青矢印)が付いているのでダブルポンパーと呼ばれています。
(セカンダリーバタフライがアクセルワークに連動して開閉する為、加速ポンプが必要になるようです。)
ホーリー4160ではバキュームのダイアフラム内のバネの変更等、ホーリー4150のセカンダリーリンクのカムの変更等でそれぞれのキャブレターでセカンダリーバルブの開閉動作を変更することができます。
チョーク



つづいて、チョークの種類です。
左写真のホーリー4010の緑枠がマニュアルチョークのリンク機構です。こちらのチョークはマニュアルチョーク(手動)になっているため、車内までケーブルを這わして、車内からチョークを操作します。
それにより緑矢印のチョークバルブの開閉を行います。
中央写真のホーリー4160には緑枠の黒いドラムが付いています。こちらはエレクトリックチョークになっていて、自動的にチョークバルブの開閉を行います。このエレクトリックチョークと連動しチョークバルブの開閉を行います。
右写真のホーリー4150にはチョークを取り付けれるようにはなっていますが、チョークレスにしてあります。そのため、チョークバルブも外しています。 アクセルワークで頑張って暖機運転を行います。

筆者はどのキャブレタータイプもチョークバルブを全開に固定して、チョークレス状態にして使用しています。
インテークマニホールドとのマッチング
最後にインテークマニホールドとのマッチングを見てみます。
写真上方が車体前方になるので、白枠がプライマリーバタフライバルブ。ピンク枠がセカンダリーバタフライバルブです。


左写真のホーリー4150はバタフライバルブのサイズが、プライマリーとセカンダリー共に同じサイズです。
これをスクエアボアといいます。
右写真のエーデルブロック1406はよく見るとプライマリーバルブがセカンダリーバルブより小さくなっています。
これをスプレッドボアといいます。
基本的には載せたいキャブレターを選定して、それに対応するインテークマニホールドを選ぶといいのですが、
キャブ交換ごとにインテークマニホールドも交換するとなると大変なので、載っているインテークマニホールドと合うキャブレターがあるのであれば、それを使うのがいいのではないかと思います。
インテークマニホールドの選定
インテークマニホールドを選びで、低回転トルク型や高回転の馬力型エンジンなどエンジンの特性を変えることができます。
また、キャブレターとのマッチングもあるので説明していきます。
キャブレターとのマッチング


左のエーデルブロック2701インテークマニホールドのキャブレターが乗る面の穴は楕円形になっています。 この形のインテークマニホールドにはスクエアボアのキャブレターが載ります。
右のエーデルブロック2101インテークマニホールドのキャブレターが乗る面の穴は少しいびつな形をしています。 この形のインテークマニホールドにはスプレッドボアのキャブレターが載ります。
アンマッチのキャブレターとインテークマニホールドでも搭載は可能ですが、接触面が少しズレることで2次エアを吸ってしまう可能性があります。
仕切りの有無


次に吸気口(キャブレター搭載面)の仕切りの有無です。
左のエーデルブロック2701インテークマニホールドの吸気口には一枚仕切りがあります。
こちらは180度タイプといいます。
空気の流れに抵抗をつけています。
右のエーデルブロック2975インテークマニホールドの吸気口には仕切りがありません。
こちらは360度タイプといいます。
空気が抵抗なくダイレクトに通過していきます。
180度タイプは空気の抵抗をつけることによりトルク型になります。
360度タイプは空気の流れが良いため馬力型になります。
インテークスタイル


次に吸気口(キャブレター搭載面)の段差の有無です。
左のエーデルブロック2701インテークマニホールドの吸気口にはよく見ると、奥の吸気口は底が見えていて、手前の吸気口はより深いところにそこが見えます。
手前と奥の吸気口で高さを変えて段差をつけています。
こちらはデュアルプレーンといいます。
右のエーデルブロック2975インテークマニホールドの吸気口には段差がありません。
こちらはシングルプレーンといいます。
デュアルプレーンはトルク型になります。
シングルプレーンは馬力型になります。
高さ


高さによっても若干特性が異なります。
左写真のエーデルブロック2701の高さは4.27インチ。
右写真のエーデルブロック2975の高さは4.58インチ。
この若干の違いでも特性が変わってきます。
低いとトルク型。高いと馬力型。
ベーシックオペレーションRPMレンジ
仕切りの有無や、インテークスタイル、高さによって、得意な回転数(べーシックオペレーションRPM)が決まってきます。
また、キャブレターのマッチングでスクエアボアかスプレッドボアかが決まります。



| Edelbrock2701 | Edelbrock2101 | Edelbrock2975 | |
| キャブマッチング | スクエアボア | スプレッドボア | スクエアボア |
| 仕切り | 有(180度) | 有(180度) | 無(360度) |
| インテークスタイル | デュアルプレーン | デュアルプレーン | シングルプレーン |
| 高さ | 4.27インチ | 4.05インチ | 4.58インチ |
| RPMレンジ | Idle-5,500 | Idle-5,500 | 3,500-8,000 |
以上のように、エーデルブロック2701や2101はトルク寄り。
エーデルブロックの2975は高回転型の馬力寄りになります。
スクエアボアとスプレッドボアの互換


基本的にはスプレッドボアのキャブレターをスクエアボアのインテークマニホールドに載せたいときはキャブレターアダプターを使用して載せることができます。
厚みのあるものや、薄い鉄板タイプのものがあります。


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