クーダのキャブを交換します。 ホーリーキャブもエーデルブロックキャブもデーモンキャブも基本的にやり方は同じです。
準備
キャブレター
無駄に増えてしまったキャブレターです。
左から、 『エーデルブロック1406』,『ホーリー4010』,『ホーリー4150』,『ホーリー4160』
になります。
今回クーダに乗っていた『ホーリーの4010』から『ホーリー4160』に載せ替えをします。
工具
多少キャブによって変わりますが、左から
バキュームゲージ
(零点から時計回りは加圧、反時計回りは負圧を測れるゲージです。)
キャブ外し
キャブレターを外します。
ホーリーの4010シリーズ。
エーデルブロックのようなダウンドラフト式のキャブレターです。
まず、スロットルアダプターを外します。
こちらはボルト2本で付いています。
シボレー系・フォード系・クライスラー系でこのアダプターが違います。
このアダプターを丸ごと外せば、ワイヤー類を外さなくてもそのまま別のホーリーキャブに載せ替えができます。
次にデスビに繋がる「バキュームアドバンスホース」と
エンジンのヘッドカバーに繋がる「ブローバイガス(PCV)ホース」を外します。
キャブレターのマウントナット4個を外します。
最後に「フューエルホース」を外すといいです。
ガソリンが出てくるので、受け皿などで受けれるようにしましょう。
非常にあっさりと外れます。慣れると10分です。
キャブレターの比較
左が外した『ホーリー4010シリーズ』。
右が取り付ける『ホーリー4160シリーズ』です。
取り付ける上でホースを繋ぐパイプの位置が
全て異なります。
①フューエルパイプが左右逆
②ブローバイガスパイプの位置
③デスビのバキュームパイプの位置
なので、追加のホースを用意する必要もあります。
キャブレター取り付け
まずは、キャブレターを乗せてマウントナット4つを締めます。
次にホース類をつなげていきます。
「PCVホース」「バキュームアドバンスホース」「フューエルホース」を繋ぎます。
青枠のスロットルアダプターを取り付けます。
赤枠はフューエルポートです。
これで、キャブレターの設置は完了です。
各キャブレターの配管
キャブレターのメーカーやシリーズによって配管位置が変わるので、それぞれまとめてみました。
参考にしてください。
画像が小さいので、クリックで拡大表示できるようにしています。下記数字と写真番号を揃えています。
- フューエルポート
燃料ホースを繋ぎます。 Holley 4150と4010シリーズはポートが2口あり、一つにまとめるアダプターを使用して、一本のポートにまとめます。 - タイムスパークバキュームソースポート
ディストリビューターのバキュームアドバンスへ繋ぎます。 - フルマニュホールドバキュームポート
シボレーTH350オートマの場合、このポートに繋ぎます。シフトチェンジに負圧を利用するオートマの場合このポートに繋ぎます。
(燃調調整のバキュームゲージはこのポートに繋ぎます。) - PCVポート (パワーブレーキポート)
PCVバルブやパワーブレーキを繋ぎます。
チョーク
ちなみに、青枠で囲ったのがエレクトリックチョークですが、中のスプリングコイルを逆巻きにセットして、チョークが開きっぱなしになるようにしています。
筆者はチョーク使わない派なので、全てのキャブレターでチョークは不動にしています。
キャブレターセッティング
準備
キャブレターの設置が終わったので、エンジンをかける準備をします。
青丸が燃調を調整するミクスチャースクリューです。左右に1個づつあります。
まずは、一度スクリューを締めます。
(軽く当たる程度。締めこみすぎ注意)
そこから1回転半緩めます。
この状態がミクスチャーの基本位置になります。
次にキャブレターにガソリンを供給します。
機械式燃料ポンプなので、クランキングでキャブに燃料を送り込みます。
あまり長い間クランキングするとセルモーターが焼けるので
5秒クランキングして5秒待つ。
を2~3回繰り返します。
スロットルを全開まで開いたときに、赤矢印のノズル(アクセレーターポンプノズル)からガソリンが噴出したら、キャブレターにガソリンが入った証拠です。
最初は3回ほど、ガソリンを噴出させましょう。
エンジンをかけて、すんなりかかれば問題ないですが、すぐにストールするようであれば、赤丸のアイドリングスクリューを1~2回転程締めこみ、アイドリング回転数を上げます。
エンジンが掛かれば、5分程暖機運転をして、アイドリングスクリューを調整し、アイドリング回転数を調整します。(700rpm程度)
油面調整
ガソリンが供給されたら、最初にフロート室の油面調整を行います。
今回はホーリーの油面調整の方法についてです。
(エーデルブロックは油面調整面倒です。調整不要?)
こちらはホーリー4150です。
フューエルポートがついている場所がフロート室です。
前後にひとつづつ合計2室あります。
2室とも油面調整の方法は同じです。
先ずは前側のフロート室から調整を行います。
エンジンをかけた状態で、側面のサイトポートを開けます。(調整中は開けたまま)
基本的にはガソリンがあふれ出てきます。
あまりにあふれる量が多い場合は一度閉めてもいいでしょう。
次に、油面調整を行います。
5/8インチレンチをかませているのが、アジャストナットです。
マイナスドライバーで押さえているのがロックスクリューです。
ロックスクリューを緩めます。
続いてアジャストナットを締めると、油面は下がり、緩めると油面は上昇します。
アジャストナットで油面を調整し、サイトポートの下端位置に油面を合わせます。
にじみ出てくるくらいです。
調整が終わったら、ロックスクリューをしっかり締め、サイトポートのスクリューも閉めます。
同じように後ろ側のフロート室の調整も行います。
燃調(ミクスチャー)調整
次に、燃調を調整します。(写真のキャブはedelbrock)
バキュームゲージを用意します。
バキュームゲージを、赤矢印のフルマニュホールドバキュームポートへ繋ぎます。(キャブ裏面の写真。キャブ搭載後もインテークマニュホールドとの隙間から接続可能。)
バキュームゲージを見ながら左右片側ずつ、ミクスチャースクリューを少し閉めたり緩めたりします。
その時に、バキュームゲージの負圧のピークを探ります。
基本的には、締め込みから1回転半緩めた位置を基準にして、半回転締めor緩め位置以内にピークが来ると思います。
(締めはすぐに負圧が低下、緩めは極めて少しだけ上昇しますが、ほとんど変化が無ければ上昇が始まった位置辺りがおススメです。)
締めは燃調が薄くなり、緩めは濃くなります。
片側が決まったら、反対側も同じように調整します。
最後に、アイドルスクリューを調整して希望のアイドリング回転数に調整したら終了です。
フルマニュホールドバキュームポートについて
写真はホーリー4150シリーズになりますが、負圧計を繋いで調整をする『フルマニュホールドバキュームポート』は車種(トランスミッション)によりこのポートの負圧を変速に利用しています。
その場合はトランスミッションへホースを接続することになります。
写真はシボレー・ノバ(TH350AT)にホーリー4150シリーズ搭載時です。
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