ノバのリアブレーキシュー(ライニング)残量が減ってきたので交換します。ついでに、スプリング類も新しいものに変えたいと思います。
準備
用意した新品です。
直径9.5インチ、幅2インチのブレーキシューです。
接着タイプでノンリベットタイプになります。
よく見ると、厚みが2種類、シューのサイズも2種類あります。
前側のシューの厚み:7.5㎜ (長さも短い)
後側のシューの厚み:9㎜ (長さは長い)
鉄板の厚み2㎜
メーカーによってはシューの厚みと長さがすべて同じサイズのものもあります。
リア用のセットで25ドルほどの価格です。すごく安いですね。
(フロント、リアは同じパーツで使えるはずです。はず。。。)
スプリング類もでついでに変えようと思います。こちらは8ドルほど。 こちらも安いですね。
もちろん左右のセットです。
フットブレーキとパーキングブレーキは解除しておきます。(4輪とも浮かせるか、前輪着地でタイヤ止めを忘れないように。)
基本的には一般的な工具(ラジオペンチやドライバー)で作業できます。スプリングを外したり、付けたりするための専用工具があるようなのですが、それの代わりとして、大きめのマイナスドライバーがあるほうが作業は楽になります。 スプリングを取り付ける際にてこの原理で取り付けを行うため、30㎝程の長さのマイナスドライバーがあると非常にやりやすいかなと思います。
右後輪の写真で作業解説していきます。
念のためサイズや穴位置が合っているかチェック。
ドラムの前側のシューは新旧サイズが同じ。
旧ブレーキシューはリベットタイプの為穴が開いています。リベットタイプはシューが全てなくなる前に、リベットが飛び出てくるため、寿命が少し短いです。
ちなみに、リベットヘッドまであと1㎜もありませんでした。
後ろ側の新品シューはサイズが大きいです。
旧ブレーキシューは、前後共に同じサイズのものだったようです。
これにより多少の制動力は上がるのでしょうか?
ブレーキシュー取り外し
それではいよいよシューの分解を始めていきます。
※分解前に各所詳細に写真を撮影しておきましょう。組み上げる際の参考になります。
そして、片側づつ作業しましょう。
最悪反対側見たら何とかなります。
先ずは上のスプリング2個を外します。
専用工具があるみたいですが、
ペンチでスプリングの切れ端と、スプリングを引っかけている部分を挟み、スプリングを少し伸ばします。隙間にマイナスドライバーを差し込み、こじれば簡単に外れます。
それなりに強力なスプリングですが、上記やり方で比較的簡単に外すことができます。
続いてシューを止めているホルダースプリングを外します。
真ん中の棒は裏から刺さっているだけなので、ドラムの裏から手で抑えつつ、表側のプレートをペンチでつかんで、押し込みながら90度回転させると外れます。
このホルダーを前後のシュー共に外します。
※後側のシューのストッパーはアジャスターストッパーもこのホルダーで一緒に止めています。
ホルダーを外すと色々なパーツが一気に外れるので、ワッシャーなどどのように付いていたか分からなくならないようにそっと分解していきましょう。
※前後のシューでスプリングの形が異なるのと、スプリング自体の表裏もあります。
最初に外した、スプリングがひっかっっていたフックを外します。
フックを外すと、ひし形のようなパーツも外れるので取っておきます。
また、ブレーキのシリンダーの下にもスプリング付きの長方形のプレートがあるので、向きや裏表などに注意して外します。
これで、ブレーキシューを前後に開くようにすることで丸ごと取れますが、リアはパーキングブレーキのケーブルも取りついている為、パーキングブレーキのステーはシューから外して車体に残したままにします。
外れました。
左側についているスプリングやプレートなどは、アジャスターストッパーのスプリングとプレートで、こちらは新しいスプリングキットには付属されていないので再利用になります。
中央上の横長のプレートに付くスプリングは新しくなります。
また、中央下のアジャスターの上に付くスプリングも新しくなります。
新品取り付け準備
新旧パーツを並べてみました。
シューパッドの短いのが前側。
長いのが後ろ側です。
全てのパーツの新品が揃っているわけではなく一部旧品を再利用する部分もあるので要注意です。
また、ど真ん中の赤いスプリングのみ左右のドラムで形状が異なります。
これがそれです。
バネの巻きが逆で、形状も左右対称になっています。
これを間違えるとアジャスターの動きが阻害され、いずれシューが減ってきたときにブレーキの片効き現象につながるので気を付けましょう。
※取り付け時の上下の向きにも注意
新品取り付け
それでは組んでいきましょう。
まずは、アジャスターとアジャスターストッパーを組んでみました。
先ほどの赤いスプリング。
S型の形状のおかげで、アジャスターの歯を避けるようになっています。
もし、これが歯に当たるようであれば、組み方が間違っています。
(以前ショップで前輪のシューを交換し、2年後くらいからブレーキの方効きが発生し、点検したところ、このスプリングの組み方が間違っていました。)
続いて、ドラムブレーキのバックプレート側のすこし凸の部分。
こちらにアンチシーズ剤を塗っておきます。
ここにブレーキシューの角が当たるので、摩耗防止と、動きをスムーズにするためです。
写真に写らなかった下側にも2個箇所あり、合計6か所あります。
後ろ側のブレーキシューの裏側にパーキングブレーキのプレートも取り付け、乗せてみました。
(アジャスターなどは一度外しています。)
先に取り付けが簡単な前側のシューから取り付けていきます。
青スプリングの付いている、プレートを取り付けます。
前後のシューで挟んでいるだけです。
そして、緑スプリングのホルダーを取り付けます。
こちらも外した時同様、ドラムの裏側から手で棒が逃げないように抑えながら、
表側のプレートをペンチでつかんで押し込みながら90度回せば取り付けできます。
これで、とりあえずシューは落ちなくなります。
後ろ側のシューホルダーはアジャスターストッパーも一緒に止めている為少し取り付け難易度が高くなります。
※シューとアジャスターストッパーの間に一枚ワッシャーがいたりするので忘れないように。
写真では、上のフックもすでに引っかけています。(ひし形のプレートも忘れないように。)
続いて、後ろ側のシューのスプリングを取り付けます。
手で引っ張って何とかなるレベルでは到底ありません。
こちらは15㎝程のマイナスドライバーを使い、白スプリングフック部分の下からドライバーを引っかけ、
相手側フックの上からそのドライバーを差し込むようにして、
白スプリングを上側からフックに差し込むようにすると引っかけることができます。
続いて、前側のシューの青スプリングを引っかけます。
こちらもなかなかです。
こちらはできれば少し大きめのマイナスドライバーをお勧めします。
マイナスドライバーで青スプリングのフックを引っかけ、
ドライバー先端を頂上の丸突起に引っかけててこの原理で滑らようにねじ込みます。(火花が散るほど激しく入ります(笑))
これで、右後輪組付け完了です。
調整
交換前、左側のドラムの写真。
ドラムを取り付け、手で回してみてドラムがスルスル回るようであれば、一度ドラムを外してアジャスターの歯を下方向に回し、ドラムが多少擦るくらいまで調整します。(アジャスターのネジは左右のドラムで逆に切られている為、左右のドラム共に下方向に回すとアジャスターは広がります。)
左右のドラムでそれぞれ均等なくらい擦るように調整しましょう。
ガバガバだとブレーキを踏み始めてから制動までに時間がかかり、
あまりやりすぎると、片効きやブレーキ引き摺りになります。
最後に、実際にエンジン駆動でタイヤを回し、ゆっくりブレーキを踏んだ時に左右同時にタイヤの回転が止まるまで差が無くなるように調整すれば完璧です。
ドラムによってはアジャスターの歯の位置に穴が開いていて、ドラムを付けた状態でも調整可能です。
まとめ
以上でブレーキシューの交換作業が終了です。
外したシューは、
右側が左側よりも1.5㎜ほど減っていました。
あと1㎜程でリベットヘッドが出てくるくらいでした。
リベットタイプだとこれくらいシューの厚みが残っていても、変え時となりますね。少しもったいないです。
作業時間は最初の一輪は2時間。
もう片輪は慣れて1時間でした。
最後の調整は、微調整に時間がかかり1時間ほどでした。
合計で4~5時間ほどで後輪が終了でした。
ブレーキという安全面には非常に重要なパーツの作業ですが、必要な工具は少なく、パーツも安いので、トライしてみてはいかがでしょうか?
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