ずっと悩んでいた吊り下げ式の汎用クーラーキットの値段が下がっていたので、思い切って買ってみたのでノバに取り付けしたいと思います。
ショップにお願いすると、工賃が20~30万円ほどかかるとの事なのでDIYでトライしてみます。
ドライバーやレンチ、ニッパーなどの一般的工具のほかに、グラインダーやエアコン取付でしか使わない真空引きポンプなどの用意が必要です。
(真空引きとエアコンガス注入は車屋さんでやってもらうのもいいと思います。ポンプキット買う値段と工賃はトントンぐらいです。)
キットの内容
今回取り付けるのはヤフオクで買った汎用吊り下げ式クーラーキットになります。
①エバポレーター(室内機)
②コンデンサー(電動ファン&シュラウド付き)
③コンプレッサー
④レシーバー
⑤高圧、低圧、中圧×2 のホース
⑥室内機とコンプレッサーのステー
⑦リレー
⑧Oリング
エバポレーター(室内機)
横40㎝、奥行35㎝、厚み15㎝程です。
吊り下げようのステーと、排水用のドレンホースが付いています。
排水口が室内機奥側の両端2か所にある為、ホースを切って、T型ジョイントで繋ぎ、一本にまとめて室外排出を行います。
また、中圧ホースと低圧ホースの接続口は室内機奥右にあります。
コンプレッサー(KPR-96)
134aガス対応のVベルトプーリータイプになります。
適正オイル量は90-120ml。
購入時に80ml封入されています。
ホース接続口の黒いキャップを外して傾けるとオイルが漏れるので注意。
コンデンサー
横45㎝、縦40㎝、厚み3㎝程のサイズです。
裏面には電動ファンとシュラウドが取りついています。ボルトで付いているので不要であれば外すことも可能です。
ホースと小物類
左上:室内機とレシーバー (細)
右上:レシーバーとコンデンサー下部(中細)
左下:コンプレッサーとコンデンサー上部(中太)
右下:コンプレッサーと室内機 (太)
そして、
レシーバー (ステー付き)
Oリング
コンプレッサーステー
コンプレッサーとホースのジョイント
写真外で、リレーも付いています。
その他自分で別途用意するもの
①各種取り付けボルト類
②配線用電線とコネクター(ギボシなど)
③コンプレッサーのマウントステー
④Vベルト(AもしくはBタイプで長さは取り付け位置により変わります)
⑤エアコンガス600g(200g缶×3本)と追加用のコンプレッサーオイル10~30ml程度。
取り付けイメージ図
イメージ図を描いたので、参考にして取り付けしていきます。
クリックで拡大表示できるので画像は自由にお使いください。(転載する場合はこの記事のリンクをしていただけると幸いです。)
取り付け
まずは、大まかな配置を決めていきます。
配置が比較的簡単なコンデンサーから付けました。
追加で穴を極力あけたくなかったので、既存の穴やボルトを使用して取り付けしました。
ラジエーターとは3㎝程隙間があります。
電動ファンとシュラウドは不要な為外しています。
レシーバーです。
ガスの流れる向きが決まっているので、間違えないようにしましょう。(ホースの径が違う。)
写真に向かって右側がコンデンサー、左側が室内機へと向かうホースです。
取り付け用のボルトや、締め付け用のボルトと蝶ナットは自分で用意が必要です。
一番苦戦したコンプレッサーです。
ノバのクランクプーリーが3ベルトプーリだった為、一番エンジン側のプーリー溝を使用しVベルトをかけようとしましたが、良い位置がなかなか見当たらず、パワステポンプの回転軸を跨ぐ奇跡的な位置に決定。
紐を使いざっくりの長さを測定し、Vベルトを購入。(49インチがちょうどでした。)
参考までに。
こちらがシボレー350エンジンの一般的?なコンプレッサーの取り付け位置です。
右上がエアコンのコンプレッサー。
右下がパワステポンプ
左上がウォーターポンプ
左下がエンジンのクランクプーリーです。
エバポレーター(室内機)は助手席足元へ付けることにしました。
吊り下げステーの金具は付いています。
こちらのステーも、既存のネジ穴を利用して取り付けしました。
バルクヘッド貫通加工
取り付けに関しては全て既存の穴やボルトを使用したため、穴あけなどの加工は一切行っておりませんが、唯一車体に穴を開ける必要がある室内機へ出入りするホース用の穴をバルクヘッドに開けます。
室内機を一度取り付け、ホースの接続口の位置を確認し、当たりを付けて穴を開けます。
縦4㎝、横10㎝程の穴を開けました。
切断面は錆防止のため、シャーシブラックを塗り
さらに、ホースへのダメージを軽減するため、コの字型のプラスチックをはめ込みました。
また、室内機の排水ホースもこの穴を通して車外に排水するようにしました。
コンプレッサーの取り付け
コンプレッサーのステーは扇型のステーのみが付属しており、土台はありません。
その為自作する必要があります。
Vベルトのかけ方でコンプレッサーの場所が変わる為、土台は車種ごとに変わるので自作が必要になります。
3㎜厚のアルミ板を2枚重ねて土台となるステーを作りました。
へダースのボルトを使用し、エンジンにアルミ板を固定。
そのアルミ板に、固定する用のL型ステーを
コンプレッサー底面のマウント用の穴に取り付けます。
ちなみに、マウントの穴は8㎜径です。
写真の黒のL型ステーの上下が逆でした。
実際に取り付けるとこのようになります。
ぎりぎりパワステポンプに当たらない扇形ステー。
ぎりぎりパワステポンプ回転軸に当たらないVベルト。
ぎりぎりアッパーアームに当たらないコンプレッサー。
色々ぎりぎり奇跡の配置です(笑)
扇形ステーのコンプレッサー側の穴もM8ボルトです。
配管繋ぎ
全ての位置が決まったので、4本のホース配管を繋いでいきます。
ホースの配管はそれぞれ太さが異なるので繋ぎ間違えは起こらないと思われますが、念のため参考図を見ながら行います。
Oリングはこのように付けます。
こちらもホースの太さに応じて4種類が予備を含めて3枚ずつの計12枚付いています。
※配管のコネクションはOリングタイプで家庭用エアコン等向けのフレア加工タイプではありません。
室内機にはこのようにつながります。
上側の太いホースはコンプレッサーの手前側へ。(低圧ホースのガス注入口が付いていますが、そちらはコンプレッサー側にします。)
下の細いホースはレシーバーへつながります。
それぞれ2mほどの長いホースです。
この時、排水ホースも一緒に取り付けます。
上の写真の赤い配線の真下の黒いチューブ。こちらが排水口になります(排水ホース接続済み)。
室内機の反対側にも付いているので計2か所から排水されます。
その排水を付属のT型ジョイントと排水ホースを使って、この写真のように排水ラインを作ります。
左が室内機向かって左側の排水口へ。右が室内機向かって右側の排水口に繋ぎ、ホース下を車外に出すことで、室内機で発生した水を車体外に排水します。
接続口から水が若干漏れるので、それぞれをタイラップなどで縛っておくことをお勧めします。
コンプレッサーは配管接続口にオイル漏れ防止のために、黒いキャップが付いているので、キャップを外したのちに、付属のホース接続口を取り付けます。
コンプレッサーの手前側が室内機の上側へつながります。
コンプレッサー奥側はコンデンサーへつながります。
コンデンサー上とコンプレッサーが繋がり、コンデンサー下とレシーバーが繋がります。
レシーバーは向かって右側がコンデンサーへつながります。
左側が室内機へとつながります。
これで、配管まで終了しました。
電気配線
それではいよいよ取り付け最後の工程。電気配線です。
配線図も説明書が無いため、参考図を見ながら配線していきます。
※画像の色はキットの配線色と合わせました。
※ヒューズボックスからバッテリーの緑線とコンプレッサーからボディアースへの黒線はイメージ線(配線済み)の為、作業時の配線は不要。
※コンプレッサーからエンジンブロックへはボディーアースの為配線の必要はありません。
先ずは室内機から繋いでいきます。
中央のA部分がグランドアースになります。
Bの緑線はバッテリーのプラス(ACC)へ繋ぎます。
Cの赤線はリレーへ繋ぎ、コンプレッサーのスイッチとして機能します。
グランドアースから繋いでいきます。
車体側のグランドアースポイントは、金属むき出しの部分につながるボルトなどに繋げればOKです。
旧車はあらゆる場所に金属が使用され、またそれぞれがボルトなどで結合されているので、どこのボルトに繋げても多くがグランドアースになります。
次に、緑線。
こちらはバッテリー+につなぐのですが、
直接バッテリーにつなぐと常時駆動になってしまうので、ACC(アクセサリ)端子へ繋げます。
赤線はリレーへ繋ぎますが、直接リレーへ繋ぐのではなく、間にレシーバーを経由させます。
分岐パーツを使って、ラジオのACC配線へ割り込みをさせました。
こうすることで、キーオンもしくはキーACC位置でのみ駆動するようになります。
室内機の赤線がこの写真の上からきている配線です。
レシーバーのそれぞれの端子はプラスマイナスなどないのでどちらにつないでも問題ありません。
もう方側。レシーバーの下の端子はリレーへ向かいます。
レシーバーを経由することで、異常な高圧や低圧時にコンプレッサーの駆動を強制カットするようです。
こちらがリレーです。
レシーバーの下側の端子から来た配線をリレーの青線(スイッチ)に繋げます。
リレーの赤線(バッテリー)はバッテリープラスへ。こちらは直接バッテリーへ繋ぎます。
黒線(アース)はボディアースへ落とします。バッテリーマイナスへ繋いでも良いですが、ボディへ落とすほうがいいのかな?
最後に黄線(電装品)をコンプレッサーへ繋ぎます。
リレーの赤線(バッテリー)は バッテリープラス端子へ。
黒線(アース)はへダースのボルトへ繋ぎ、ボディアースへ落とします。
最後に黄線(電装品)をコンプレッサーへ繋ぎます。
少しわかりにくいですが、
コンプレッサーからでた黒い配線と
リレーの黄線を繋ぎます。
もし、電動ファンも付ける場合は、
この黄線に電動ファンのプラス端子を割り込ませ、電動ファンのマイナス線はボディアースへと落とします。
これでシステムの組み上げは完了です。
エアコンガス注入
続いて、エアコンガスを注入します。
エアコンガス注入については次の記事で紹介します。
追記:勝手に止まる原因
1月。気温一桁台。
ガスが抜けてないかのチェックを兼ねて試しに作動させようとしたところ、動きませんでした。
原因を探ったところ、温度調節つまみの内部と室内機後ろの配管接続口がサーモスイッチになっているようです。
外気温(冷風温度)が設定値に達するとサーモスイッチが働き、回路を遮断します。
温まってくると、回路は復活します。
冬なのでスイッチが働いた状態だった模様で、手で温めると回路が復活し作動しました。
夏、冷房効かせてる時に一定間隔で止まるのはこれが原因だった模様です。
故障ではないみたいです。(温度調節つまみMAX、風量MAXで15分に1回、2分程止まる。)
コメント
はじめまして。
こちらのクーラー僕も買ったのでとても参考になります。
1つ気になったのは、コンデンサーの配管で下がコンプレッサー、上がレシーバーに繋がっているようですが、逆ではないでしょうか?
これで問題なく効くのであれば大丈夫なのかな?
あと、電動ファンを省略しても効きは変わらないのでしょうか?
色々聞いて申し訳ありません。
赤いバイク様。
初めまして。コメントありがとうございます。
コンデンサーの配管についてですが、仰る通りコンプレッサーが上でレシーバーが下になるように配管した方が冷却効率が上がるようです。この作業時はエアコンの知識が乏しく、気にもしていませんでした。
ご指摘ありがとうございます。記事内も追記訂正致します。
ちなみに、冷え具合に関しては現状冷却はできております。ただ、ご指摘通りの上下逆配管にした方が冷却効率が上がりより冷えると思われます。
また電動ファンについてですが、こちらは装着スペースが無いため効き具合の変化を検証できません。
クラシックカーの為、エンジン連動のファンが常に回っている為ある程度の風は常に当たっていると思っていますが、電動ファンを装着するスペースがあるのであれば取り付けをお勧め致します。
こんにちは。
配管の件は承知いたしました。
なかなかハードルが高いクーラー取り付けを、半ばぶっつけ本番でやるのはスゴいです。
電動ファンは僕の車のオルタネータ出力が25Aしかないので、最初は電動ファン無しで試してみます。
多少効きが悪くても冷風が出ればいいのですが。
赤いバイク様。
返信遅くなりました。
失敗してもほとんどの場合はやり直せると思っているので、いろいろトライしてみています。
オルタネーターの出力25Aですか。 確かに少し少ない気がしますね。
スペースが確保できているのであれば、まずは無でもいいかもしれませんね!
少しでも快適になるといいですね!!
赤いバイク様。
本日、コンデンサーの上下を変えようと確認したところ、実際の配管はあっていました。
記事を書く途中で「配置図」の配管を書き間違えておりました。
「配置図」と本文中の文言を訂正しました。
これにより、最初にコメントいただいた『これで問題なく効くのであれば大丈夫なのかな?』の回答は、配管があっていた為問題なく冷房は効いている。
になります。
紛らわしくて申し訳ありませんでした。
こんばんは。
3月から始めて、ちょっとずつ、かれこれ5ヶ月が経過しようとしてますが、やっと配管取りつけるところまてきました。
コンプレッサーの黒いキャップを外したまま傾けるとオイルが出てくるとありますが、中を覗いてみると底が見えたので、ひょっとしたらオイルが入ってない?なんて思ったのですが、そんなものなんでしょうか?
確かにあの大きさで、80cc入っていても、上の方までは来ないと思います。
ただ、傾けただけで出てくるかと言われてもされもなさそう。
もうコンプレッサーがガチガチに取り付けているので、外して確かめる以外に何か確認する方法はあるのでしょうか?
ヤフオク!の説明欄を読むと、ガスとオイルは消耗品なので自身で用意してくださいとありますが、オイルガスの缶を足せばいいのか?それともホースを取りつける前に規定量を注入するのかがわかりません。
ヤフオク!にも質問しているんですけど今のところ不明であります。
ヒガシゾノクニタカさま。
こんばんは。初めまして。
ご質問の件ですが、当方が購入したキットのコンプレッサーには「オイル80ml封入」と記載がありました。
また、コンプレッサー内部の詳しい構造は分かりかねるので上から覗いて底が見えるのが正規かどうかは分かりません。
ただ、80mlという量からして結構少ないと思うので、上から覗いてうっすら見える程度ではないかと思います。
コンプレッサー取り付け後の確認方法ですが、、、 ティッシュなどで紙縒りを作って、差し込んでみてオイルが付くかどうか位しか思いつきません。 この方法だと、入っているかどうかの確認はできても、量の確認はできませんが。。。
オイルの追加に関しては、当方はオイルガス缶を使用して、10ml追加しました。すべて組み終わった後の、エアコンガス注入後に行いました。
こんばんは。
コメントありがとうございます。
大変参考になります。
コンプレッサーの説明書、中国語だったのですが、コンデンサー等の修理の際は40~50ml程足してくださいとありましたが、新品の今の時点でどのくらい入ってるかの表記はありませんでした。
しかし、ネットで調べると新品やリビルド再生品はたいてい適量のオイルが封入されているとのこと。
これを信じればオイル缶3本くらいを入れればイイのかと思っています。
コンプレッサーはエンジン程シビアではないらしく、足りないなら後から調整でも大丈夫みたいなことを言ってる人がいたので、1度ガスを入れてオイル量の目安を見るフィルターのような物があるので、答えが出ない場合はそうしようと思います。
ヒガシゾノクニタカさま。
オイル量見るフィルターがあるのはいいですね! あくまでコンプレッサー内部の潤滑用オイルなので、オイルが入っていないのはよく無いですが、規定量から大幅に逸脱しない限りはそこまでシビアに考えなくてもいいのかなと個人的に思っています。
こんばんは。
本日、ガスチャージジまで終えて試運転できました。
その後出品者の質問欄から回答がありまして、コンプレッサーの中にはオイルが入ってるそうです。
僕が購入したクーラーはコンデンサーが小型化されたものですが、その他はほぼ同じ商品の様に見えます。
取り付けに関しては情報が殆んど無くクーラーガスも何g入れていいのやらでしたが、2缶では確かにサイトグラスが泡だらけで、ブログの通り3缶+オイルガスにしました。
コンデンサーは小さいですが、厚みは倍なので大丈夫な気がします。
ベルトの取り回しが悪くスリップするのですが、効きは良好でした。
ただ、渋滞だとオーバーヒート気味になるのが気になります。
やはり酷暑は無理っぽい気がします。
初夏や残暑には役にたつかもと思っております。
この度は本ブログの記事が大変参考になりました。
色々とありがとうございました。
ヒガシゾノクニタカさま。
取り付けお疲れ様でした!
最近は縦横が小さい代わりに厚み増しコンデンサータイプも出ていますね。今度バラクーダにはそのタイプを取り付けようと計画しています。
渋滞でのオーバーヒート。。。当方のノバは全く水温が変わらないですが、そもそもラジエーターも純正かどうかすら不明なので、実は大容量タイプなのかもしれません。
少し燃費が悪化するかもしれませんが、ラジエーターのサーモスタットを低温タイプに変えてみるのもいいかもしれません。オーバーヒート対策に効果があるかは分からないですが。。。
ブログがお役に立てて、またコメントも頂けて非常に嬉しく思います!