車検準備の為に各所点検をしていたところ、『ナックルジョイントのカップが破損』しているのを発見しました。
カップが破損、摩耗してしまうと、異音が発生しハンドル操作やタイヤの動きに影響を与えることがあります。
また、そのまま放置するとアッパーアームの交換を余儀なくされるため交換したいと思います。
前回の記事でナックルジョイントの取り外し方まで解説したので、この記事では取り付け時の作業手順や注意点を解説します。少し難易度の高い作業ではありますが、DIYでの交換も可能ですのでぜひ参考にしてみてください!
ナックルジョイント取り外し編
ナックルジョイントの外し方はこちらのブログをご覧ください。
症状
おさらいですが、ナックルジョイントのカップがこのように破損していたので取り外しました。
カップが浮き上がり、ブーツもめくれています。
もし、カップが底抜け(摩耗)しているとアッパーアームとナックルジョイントが直接擦れ合い、異音の原因となりアッパーアームの交換を余儀なくされるので早急に交換を実施します。
準備
取り外しの時と同じ工具で取り付け作業も行います。
工具
取り付け作業には特殊工具は不要で、一般的な工具のみで作業が可能です。
※レンチとソケットについて。
9/16と7/16はそれぞれ2本必要になります。
また、3/4はレンチが必要
こちらはあると便利な工具です。
ナックルジョイントとカップ
ナックルジョイントとカップです。
一台分すべて交換する場合は合計で4個必要です。
ナックルジョイントのシャフトの太さが2種類あります。
12.7(13)㎜タイプと14㎜タイプです。
筆者のミニは右の14㎜タイプで、アジャスタライドと呼ばれるタイプのハイローキットにのみ14㎜が使用されているようです。
今回はナックルジョイントは損傷していなかったので、カップのみ交換します。カップは共用できます。
ナックルジョイント取り付け
はずは、アッパーアームに『ナックルジョイントのカップ』を取り付けます。
アッパーアームにウレアグリースを少し塗っておくと、カップが入りやすくなります。
プラスチックハンマーを使って、軽くたたきながら徐々にカップを入れていきます。
カップの淵は2㎜程アッパーアームから浮きますがこれでしっかり底まで入り込んでいます。
※強くたたきすぎるとカップが割れます。注意しましょう。
続いて、『ナックルジョイント』を入れます。
この時はウレアグリースをたっぷり入れておきましょう。
カップへナックルジョイントを入れたら、ブーツをかぶせてゴミが入らないようにします。
アッパーアーム取り付け
アッパーアーム本体取り付け (シャフト取り付け)
それでは、アッパーアームを車体に取り付けます。
まずは、シャフトにアームを通します。
続いて、スプリングを支えつつ、ハイローキットを取り付けます。
この時、ナックルジョイントへハイローキットは刺しておきます。
そのまま、全てを崩さないように、アッパーアームを押し込みます。
緑矢印のワッシャー(スラストワッシャー)は入れなくても大丈夫ですが、オイルシールは嵌めておきましょう。
写真の角度くらいまで持ってきたら、スラストワッシャーを当てて、マイナスドライバーで押し込みます。
良い位置に来たら、シャフトを押し込みます。
シャフトの前側のプレートは車体とぴったりくっ付きます。隙間がある場合は少し持ち上げるとしっかりシャフトが入り込むと思います。
ここまでが第一の難関ポイントです。
スプリングと、ハイローキットを支えつつ、アッパーアームを押し込むのは、なかなかうまくいかず苦戦すると思いますが、頑張りましょう!
続いて、シャフトのボルトを取り付けていきます。
まずは、前方手前側のボルトナットを取り付けます。
一気に締め上げず、少し緩い状態で一度とどめておきます。
第二の難関ポイントは前方奥側のボルトの取り付けです。
指を突っ込み、何とかしてボルトを一山二山回すことができれば、あとは外した時と同じように、グリルの前側からエクステンションバーで締めていきましょう。
続いて、後方のナットを取り付けます。
スプリングワッシャーが入るので忘れないように取り付けましょう。
このナットのトルクは72Nmですが、ソケットが入らない為、クロウフートが必要になります。
3/4インチのクロウフート。他では絶対使わなさそうな工具ですね。
ここで、前方手前側のボルトナットをしっかし締め付けましょう。
こちらはトルクを調べてみましたが指定されていないようでした。
ぎゅっと締めておきます。
付属部品取り付け
あとは、難しいところは特にありません。
どんどん組んでいきます。
まずは、ボールジョイントを取り付けます。
ばねワッシャーを忘れないようにしましょう。
トルクは52Nmです。
続いて、『ショックアブソーバー』を取り付けます。
ハブを少しジャッキで持ち上げないと届かないかもしれません。
トルクは48Nmです。
ハブをジャッキで持ち上げて、『リバウンドバッファー』を取り付けます。
最後に『ハイローキット』を調整して終了です。
まとめ
前回の記事からナックルジョイントの交換手順を解説してきましたが、このように多少の難関ポイントはありますが、特殊工具も少なく(ただし、高トルク箇所なのでできればインチ工具を使用したい)作業を行えます。
腕試しにはちょうどいい作業かなとは思いますので、ぜひトライしてみてください。
次回はミニをユーザー車検で通す記事の予定です。
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