ノバの足回りのブッシュを交換します。
(知り合いの70年型シェベルの交換もしましたが、基本的には同じでした。)
準備
足回り作業での準備として、ジャッキやウマ、工具類、新品のブッシュ、紐やS字フックなどを用意しておきましょう。
工具
各種レンチやラチェットハンドル、ソケット(ディープソケット)、プラスマイナスドライバー、大きめのハンマー等の一般的な工具類は必要です。
また、足回り作業用の特殊工具も必要です。
一般的工具の注意点
3/8インチ(10㎜)以上のナット・ボルトに対しては、それなりの高トルクを掛けて締め付けられているので、なめらないようにインチ工具の使用をお勧めします。(絶対にモンキーは使わない)
更に、硬いナット・ボルトを緩める際にインパクトレンチもお勧めですが、隙間が狭くて入らない場所もあるので、長めのスピンナーハンドルも用意しておくといいかなと思います。
足回り作業用特殊工具
足回りの分解作業で使う特殊工具の紹介です。
まずは『色々プーラー』です。
上段がピトマンアームプーラー
下段がタイロッドエンドプーラーです。
アッパーアームやロアアームのボールジョイントやタイロッドエンドを外すときに使用します。
もう一つの特殊工具が『コントロールアームブッシュ交換ツール』です。
こちらはアッパーアームやロアアームのブッシュの抜き取り、圧入に使用します。
ブッシュ
新品のブッシュです。
アメ車のブッシュと言えば、
『エナジー・サスペンション』ですね。
内容は
ボディブッシュ:3.4101G。
コントロールアームブッシュ:3.3101G。
リーフスプリングブッシュ:3.2101G。
リーフマウントブッシュ:3.6113G。
スタビリンク:9.8117G。
ミッションマウント:3.1108G。
ボールジョイントブーツ
タイロッドエンド等ブーツ
※青文字フロント用ブッシュ、緑文字リア用ブッシュ
※ボディブッシュの金具は入っていません。
金具も必要であれば、別買い3.4143するか、
金具も入ったセット3.4142Gが必要です。
※キットナンバーの最後のGは黒色。Rにして探せば赤色を探せます。
※エンジンマウントブッシュ・ロア&アッパーバンプストップ・スタビライザーマウントブッシュは付属しません。
フロント外し
スタビリンク外し
スタビリンクを外します。
長いボルトと、ロックナットで付いています。
左右ともに外しておくといいと思います。
右写真はキットの中に入っている新品のスタビリンクです。
必須ではありませんが、スタビライザー(スウェイバー)を取っておいたほうが作業中邪魔にならないかなと思います。(筆者は外さず作業)
赤いスタビマウントブッシュが左右にあるので、取るとスタビライザ―は外れます。片側ボルト2本で付いています。
※そこそこ重く、外すと付けるのがそれなりに大変。 紐で釣り上げて取り付けるなど工夫が必要かなと思います。
ショックアブソーバー外し
続いてショックアブソーバーを外します。
ノバのショックはコイルスプリングの中を貫通するように取り付いています。
スプリングを外さなくても、ショックだけ取り外しが可能です。
ショックの下側は、ロアアームの中央にボルト2本で付いています。
基本的にはナット側はクリップナットになっているのでボルト側だけ回すと外れます。
上側はアッパーアームの中央に除き窓が開いていて、そこからナットを緩めることができます。
左の写真は既にナットは取ってあります。
上下のボルトナットを取ることで、ショックは車体下側に抜き取ることができます。
左は抜き取ったショックです。
※ショックに付くブッシュ(赤いの)は再利用です。
ボールジョイント外し
アッパーアームとロアアームのボールジョイントを外します。
※割ピンを抜く際、手など刺さないように気を付けましょう。
※この後のプーラー使用時は絶対にナットを付けたまま行いましょう。 ボールジョントが外れた際に抜けて大怪我します。
ナットを緩めたら、ボルトの頭が少しナットから出る程度にナットは付けておきます。
※ナットはかなり固いです。
ロアのボールジョイントを外すにはピトマンアームプーラーの一番小さいサイズがぴったりでした。
アッパーのボールジョイントを外す際には、タイロッドエンドプーラーを使用しました。
アッパーとロア両方のボールジョイントが抜けたら、ロアアームをジャッキで支えつつ、ナットを外します。
徐々にジャッキを下げて、完全に分離するようにします。
アッパーアームからブレーキユニットは簡単に外せます。
ロアアームから、ブレーキユニットを外すには、絶妙な角度に持ってくると抜けます。
(最初角度が分からずにこの先もずっとロアアームとブレーキユニットは付いたまま作業しています)
ブレーキユニットが外れたら、ブレーキホースに負担がかからないように、S字フックや紐などでどこかに縛り吊るしておきましょう。
アッパーアーム外し
続いてアッパーアームを外します。
アッパーアームは、アーム軸ごと外します。
アーム軸がボルトナット2本で付いています。
硬い場合もありますが、ボルトも抜き取ることができます。
ボルトを緩めると、キャンバーアジャストのスペーサーがこぼれ落ちるので、取っておきましょう。 それぞれの場所で分かるように分けて保管しておきます。
無事にアッパーアームが取れました。
写真は左側のアッパーアームです
ロアアーム外し
ロアアームは前後に2本のボルトナットで付いています。
写真は外した後の写真(車体左側)。
※ブレーキユニットの分離が分からずそのまま作業したため、スプリングを取らずにロアアームを外しました。
(車体右側の写真)
ブレーキユニットを外すことで、ロアアームを下側に限界まで開くとこのようにスプリングを取ることができます。
この時、ジャッキで支えつつ、徐々にスプリングの力を抜いていきましょう。
(車体右側の写真)
写真左上のボルトナットが前側のボルトナットになります。 ボルトは車体後ろから前向きに刺さっています。
写真中央黒く穴の開いた部分。こちらがクロスメンバーに開けられた覗き穴で、この穴の奥に後ろ側のボルトナットがあります。後ろ側は車体前から後ろに向かってボルトが刺さっています。
(車体左側の写真)
前側のボルトナットは簡単に取り外すことができます。
ボルトを抜き取った後、軸がずれないように代わりに、エクステンションバーを差し込んでいる写真です。
(車体右側の写真)
後ろ側は少し大変です。
写真は斜め前(ボルト側)からと、少し後ろ(ナット側)から撮っています。
後ろ側のボルトはクロスメンバーに覗き穴が開いており、その穴の先にボルトがあります。
そこそこな距離があるため、ちょうどいい長さのエクステンションバーが必要になります。
ナット側は簡単に押さえられます。
無事にロアアームも外すことができました。
車体右側のロアアーム(左)とアッパーアーム(右)です。
ブッシュ外し
それでは、ブッシュの取り外しをしていきます。
ブッシュは圧入されている為、取り外し及び取り付けにはこのような特殊工具が必要になります。
アッパーアームブッシュ外し
アッパーアームのブッシュを外します。
外すと写真左のように分解することができます。
左が新品のブッシュ
右が外したブッシュです。
このように、カラー・ブッシュ・スペーサーの3つの部品でできていて、全てを一気に抜き取ります。
抜き取り方はこのようになります。
写真に写っていませんが、ブッシュにボルトが刺さっているのでボルトを抜き取ります。
万力の受け側(切れ目のある側)に切れ目のある台座を付け、万力の締め付けボルト側に肉薄で切れ目のある巨大なソケットのようなものを付けて、抜き取っていきます。
ブッシュはカラーごと、アッパーアームの外側に抜ててきます。
ロアアームブッシュ外し
続いてロアアームのブッシュを抜きます。
ロアアームのブッシュ抜きは少しコツが必要です。
ロアアームのブッシュもカラー・ブッシュ・スペーサーの3つの部品で一気に抜き取ります。
前後のブッシュでサイズが異なります。
アッパーアームのブッシュは一枚板にブッシュが刺さっているので抜きやすいですが、
ロアアームはコの字型のアームにブッシュが刺さっている為そのまま抜こうとするとコの字型のアームが変形してしまいます。
その為、木片や大きめのソケットなどを隙間に差し込んで変形しないようにしてブッシュの抜き取りを行います。
万力の基本的な組み合わせはアッパーアームと同じです。 ブッシュのサイズに合うちょうどいいサイズの台座を選びましょう。
ロアアームもこのように、カラー・ブッシュ・スペーサーの3つの部品で構成されています。
上が外したブッシュ。
下が、新品の組み立てる前の状態です。
以上で、フロントのアッパーアームとロアアームのブッシュの抜き取りまでが終了しました。
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